2020年10月2日、中国応急管理部は、「中華人民共和国危険化学品安全法(意見募集案)」(以下「本募集案」と略称)を起草し、公布し、社会の意見の募集を開始した。現行の「危険化学品安全管理条例」(国務院令第591号)は危険化学品の管理に関する最高法規制であるが、本募集案が正式に公布されれば、危険化学品の扱いが条例(行政通達)から法律のレベルに格上げされ、厳格かつ法基準として管理されることになる見通しである。
本募集案は、十一章計137条文で構成される。「本募集案」と現行の「危険化学品安全管理条例」の内容を比べて、主な変更・追加内容は以下の通り。
1、 危険化学品の貯蔵も「本募集案」を適用して管理する。すなわち、危険化学品の生産、貯蔵、使用、販売、運輸、及び廃棄処理のライフサイクル全体を管理する。
2、 国家は、危険化学品に対して、「目録管理」という管理方式で扱う。すなわち、国務院の応急管理部門が国務院の工業と情報化部、公安部、生態環境部、衛生健康委員会など国務院の所属部門と共同で、危険化学品の定義、及び危険化学品目録を制定して管理する。この中で、応急管理部門は、危険化学品目録を制定、公布、調整し、かつ、危険化学品の安全生産(安全使用と販売を含む)許可書の審査発行、または備案管理の実施、危険化学品登記、及び危険化学品の事故処置などの作業を行う。生態環境部門は、危険化学品の収集、貯蔵、廃棄処置作業を監督管理する。税関部門は、輸入危険化学品の港管理、輸入(出)危険化学品及びその包装の検査作業を行う。
3、 国家は、危険化学品に対して、登記制度を実施し管理する。危険化学品の生産業者、輸入業者は、国務院の応急管理部門の危険化学品登記機構(以下「危険化学品登記機構」と略称する)に危険化学品の登記申請をしなければならない。危険化学品の登記内容は以下の通り。
① 分類とラベル情報
② 物理・化学性質
③ 主要用途
④ 危険特徴
⑤ 貯蔵、使用、運輸と廃棄処置に関する安全要件
⑥ 危険状況の処置・措置
危険化学品の生産業者、輸入業者は、その生産・輸入危険化学品の新たな危険特徴を発見し、または登記事項が変更する場合には、適時に危険化学品登記機構に登記内容の変更手続きを申請しなければならない。
4、 危険な特徴がまだ明確に定義されていない化学品に対して、国務院の応急管理部門、生態環境部門、衛生管理部門は、それぞれに危険化学品分類鑑別機構を通じて、該当化学品の危険性、環境危害性、毒理特性を鑑定する。鑑定結果によって、危険化学品目録の調整が必要であれば、「本募集案」の第三条第二項目の規定に従って行う。危険化学品分類鑑別機構は、鑑定結果が危険化学品と判断すれば、「本募集案」に従って登記して管理する。危険特徴が「危険化学品目録」に明確にされてない危険化学品は、適時に応急管理部門が紙資料で提出し、報告する。危険化学品の生産業者・輸入業者は、危険な特徴がまだ明確に定義されていない化学品を生産・輸入する際には、該当化学品を鑑定しなければならない。税関は、危険な特徴がまだ明確に定義されていない化学品に対しては、該当の危険化学品の通関手続きを拒否し、同級の応急管理部門に通知すること。
5、 危険化学品の生産業者・輸入業者は、生産・輸入危険化学品の中国語化学品安全技術説明書を提出し、かつ、危険化学品包装(外包装も含む)に該当化学品安全ラベルを貼りつけなければならない。危険化学品の生産業者・輸入業者は、その生産・輸入危険化学品の新たな危険特徴が発見した時は、すぐ公告し、かつ、化学品安全技術説明書及び化学品安全ラベルを修正しなければならない。
6、 「本募集案」の第135条で、危険化学品の輸入(出)管理については、関連の対外貿易に関する法律、行政法規制の規定に従って実施すると規定されている。輸入危険化学品の貯蔵、使用、販売、運輸の安全上の管理については、「本募集案」に従って実行する。
また、「本募集案」では、危険化学品の生産、貯蔵、使用、販売、運輸、及び廃棄処置上について、詳しく記載されている。
「本募集案」の意見募集期間は、2020年11月1日までです。「中華人民共和国危険化学品安全法(意見募集案)」の和訳版についてご興味がございましたら、あるいは、ご意見がございましたら、 info@crdb.jp までご連絡ください。
原文確認👇
https://www.mem.gov.cn/gk/tzgg/tz/202010/t20201002_368140.shtml
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