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公布した2年間の化粧品原料安全関連情報の提出に関する要求がひっくり返され NMPA政策の朝令暮改で化粧品業界へ大きな混乱

投稿日 :2023年3月27日

2023年3月27日、中国国家薬品監督管理局(NMPA)は、「化粧品原料安全情報管理の関連措置事項の一層最適化に関する国家薬監局の公告」(2023年第34号)(以下、「同公告」という。)を公布し、即日より実施する。

同公告は、2021年3月5日にNMPAにより公開された「『化粧品登録備案資料管理規定』の実施に関する事項の国家薬監局の公告」(2021年第35号)((以下、「2021年第35号公告」という。))に既に定められている規定要求を翻している。中国当局の公告は、朝令暮改で、全世界の化粧品メーカー、原料メーカーにコスト負担と混乱をもたらすと言えるだろう。

Ⅰ 原料安全情報の提出の締切日について

同公告によって、締切日が以前の2023年4月30日から2023年12月31日までに延長された。

Ⅱ 原料安全情報の提出すべき対象製品について

2021年第35号公告によって、2023年4月30日迄に、全ての登録・備案済みの化粧品製品に配合されている全成分の原料安全情報を提出しなければならないと規定された。

但し、同公告によって、2021年4月30日までに、登録・備案済みの化粧品製品に配合されている一部成分(「化粧品安全技術規範」に定められる品質規格の提出必要のある原料)、及び、2021年5月1日から2023年12月31日の間に、登録・備案済みの化粧品製品に配合される防腐、日焼止め、着色、染髪、シミ取り美白等効能効果を有する原料に限り、2023年12月31日迄に原料安全情報を提出することが必要である。なお、それ以外の配合成分に関しては、原料安全情報の提出が不要となる。今後の検査に備えるため、登録・備案者にて保管する必要となる。

Ⅲ 原料安全情報の提出方式について

同公告によって、次の2つの方式に基づき、化粧品原料安全情報の提出ことが認められる。

①原料メーカーにより登録された原料コードの提出

②化粧品登録者・備案者に自ら作成された原料安全情報資料に登録者・備案者の印鑑を押してPDFファイル形で化粧品登録備案システム上に提出することも可能となる。

 

同公告の最後に、「本公告の公布日から、国家薬品監督管理局により公布されたその他の関連文書の内容は、同公告と矛盾する場合には、本公告に従う」と強調されている。

 

2021年第35号の実施以来、数多くの化粧品企業は、化粧品原料メーカーから原料安全情報をもらっていないため、既にNMPAの登録・備案済みの化粧品製品の取消手続きを提出したり、中国向け化粧品の販売戦略を調整したりしている。同公告の実施に伴い、今年年内までに一部成分の安全情報を提出すれば、該当製品は継続的に中国国内で販売することも可能となる。

 

同公告の公布と実施によって、既に実施された2年間の化粧品原料安全情報提出に関する要求がひっくり返され、全世界の化粧品関連企業に大きな影響を招く。CRDBでは、中国政策の急激な変化も注目し、いつも迅速かつ正確に伝えていきます。

詳細内容に関しては、同公告の和訳版(化粧品原料安全情報管理措置関連事項の一層最適化に関する国家薬監局の公告(2023年第34号))をご覧ください。

 

 

原文確認👇

https://www.nmpa.gov.cn/xxgk/ggtg/qtggtg/20230327145218196.html